ブランド拡張とは、構築されているブランドを異なるカテゴリーに拡張し展開することです。
その欠点は、ブランドの力はその広がりに反比例をしてしまうことです。
前回の続きで、一番目の詳細です。
松下電器の製品は、「ナショナル」を廃止した後には、「パナソニック」になるとのことです。
つまり、マッサージ機やドライヤー、洗濯機、布団乾燥機、最近よくある乗馬型のダイエット器具の「JOBA」もパナソニック製品になるのでしょう。
もちろん、AV関連の大画面プラズマテレビやブルーレイレコーダーもパナソニックです。
今後、「パナソニック株式会社」という会社のイメージはなんですか? という質問をすれば、
日本人の大多数が、東芝とソニーを合体して2で割ったイメージ・・・というかもしれません。
この雰囲気は松下として、得ではないと思われます。
現代の消費者は専門性を尊びます。
松下電器産業の製品カテゴリーが多様化のために、守備範囲の戦線は延びきっています。
その戦線をささえていたのが、「ナショナル」と「パナソニック」ブランドの巧妙な使い分けにありました。
白物家電といわれる「ナショナル」とAV関連イメージの「パナソニック」の二つの柱で、
松下電器は何でも屋のイメージを払拭しようとしていました。
トヨタが「レクサス」を投入したのは、欧米で「トヨタ」というブランドでは、高級車は相手にされないという判断があったのでしょう。
その欧米の成功を引っさげ日本国内でも、BMWやメルセデスベンツに対抗するには「レクサス」という商標を車の顔に付けたかったのです。
つまり「レクサス」は高級車なんだよ !というトヨタのメッセージです。
トヨタは「トヨタ」から「レクサス」を分離しました。
逆に、松下は「ナショナル」と「パナソニック」を、あえて「パナソニック」に一体化しました。
この事によって、松下電器の経営陣はどのようなメリットを想定しているのでしょうか?
マクドナルドはハンバーガーを売っているからマクドナルドです。
ピザやカレーライスを売るマクドナルドを消費者はどう思うのでしょうか?
(ブランド価値が下がるかどうかの、実験なのでしょうか?? 実際には一時期、売っていました)
焦点を絞ったときにブランドは強力になる。
『パナソニックとはなんですか?』
『それは、電器製品のすべてです。』
ブランドを拡張すると、短期的には成功しても、長期的にはブランドは弱くなる。
このブランディングの常識から、パナソニックのみが逃れることができるのでしょうか。
もしかすると、松下の経営陣は、サムスンを過剰に意識しすぎたのかもしれません。
感覚的には、GEの変革の歴史を意識したほうがよかったように思えます。
いずれにせよ、上記を考えれば、社名は松下電器産業からパナソニック株式会社に変更しても、
日本国内では「ナショナル」というブランドまで消滅させる必要はなかったのではないかとも思えます。
上記の事は、経営陣は想定済みです。
パナソニックブランドを日本国内の電器市場の湖の中、価値を薄めずに、強みのみを生かす、
そんな国内マーティングの挑戦に注目です。
つづく
